抄録
平成30年告示の高等学校学習指導要領総則では探究活動の充実が重要視されている。急速に変化し予測が困難な社会に対応するために,個別最適な学び,探究力重視,子供の主体性(子供の好奇心や個人の興味・関心に応じた学びや進路選択の実現)等の多様性を重視した教育・人材育成が求められている。研究目的はこのような多様性を重視した探究活動を提案することである。本稿では「探究活動」を生徒が探究したい内容を自ら選択し,課題を設定し解決し,探究成果を発表する活動と規定する。研究方法は高校1年生を対象として数学A「場合の数と確率」の単元で生徒が取り組みやすいように多種多様な「探究の種」を開発し,授業で実践し,アンケート調査をすることである。その結果,すべての生徒が独自性のある探究活動を行い,多くの生徒が数学を楽しむ,数学を身近に感じる,数学に自信をつけることを実現できていた。