日本教科内容学会誌
Online ISSN : 2189-2679
子どもが主体的に取り組む教科等横断的な学習における教師の役割
東大淀小学校の総合学習の分析をとおして
清水 美穂
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2025 年 11 巻 1 号 p. 85-96

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抄録
本研究の目的は,子どもが主体的に教科等横断的な学習を行うための教師の役割を明らかにすることである。研究の方法は,東大淀小学校の総合学習から教師の役割を整理し,実践記録を分析した。まず,教師の役割を①子どもの実態把握②学習の構想③学び方の指導④子どものやりたいこと(学習内容)と教師が学ばせたいこと(教科内容)との調整,の4つに整理した。次に,実践における教師の役割を分析した。その結果,教師は,子どもの問題意識を把握し,課題をつかませると,学習の構想を用意していた。学習に躓きが見られると,ゲストティーチャーと交渉するなど,問題解決のための学び方を導いていた。また,子どもの学習に教科の内容を関連させて調整を図っていた。このことから,子どもが主体的に取り組む教科等横断的な学習において,教師は,子どもの実態を把握し,学習の構想を立てた上で,学び方を指導し,学習内容と教科内容の調整を図る,という役割を果たすと結論づけた。
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© 2025 日本教科内容学会
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