抄録
本稿では,コンピテンシー・ベイスの教育とは何か,どのような学力論に立ち,どのようなカリキュラムや教育方法を要請するのかについて概観した。その結果,いずれにおいても,学習の転移と各教科等の特質に応じた「見方・考え方」が鍵概念であり,汎用性を求める教育であるからこそ,各教科等がいっそう大切になってくることが明らかとなった。最後に,これからの教科内容研究に期待することとして,「見方・考え方」を拠り所とした教科内容の編成,各教科等の特質を踏まえたオーセンティックな学習や明示的指導を実践開発する必要性について述べた。