単元素固体におけるイオン・スパッタリングの全収量と微分収量を主としてACATコードによるシミュレーションを通して解説をする。まず, 現存する荷電粒子と固体との相互作用をシミュレーションするコードを分類し, モンテカルロ法によるシミュレーション・コードの位置づけを行なった後, 全収量については入射エネルギー依存性と入射角依存性の特徴を議論する。また, 微分収量については放出粒子の角度分布とエネルギー分布を取り上げて実験, 理論およびシミュレーションを比較することにより, 現在, 理解されていること, また, シミュレーション結果を踏まえて是非実験して欲しいことなどをまとめた。