表面科学
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超微粒子セラミックスの応用
一ノ瀬 昇
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1992 年 13 巻 4 号 p. 190-197

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抄録

物質をどんどん小さくしていくと,微粒子と呼ばれるものになる。これらの粒子は,元の一塊の固体と比較したとき,重量当たりの表面積の大きさによって元の固体とは区別される。この単純な差がある程度を越えたとき,元の固体とはまったく違った振舞いをする“物質の新しい状態”が作り出される。このような状態を与える粒子を「超微粒子」と呼んで,一般的な粒子とは区別している。 「超微粒子」といわれると,なにか素晴らしい材料を生み出す現代の素材のような響きがある。しかし,われわれが長年慣れ親しんできた古い素材の代表選手である粘土は,天然に得られる「超微粒子」の一種である。われわれは,このような超微粒子の系を上手に利用して製品を作ってきた。したがって,人工的に作られた機能性の「超微粒子」の応用でも,そのプロセス技術を十分に生かすことができるであろう。 ここでは,超微粒子セラミックスの応用に焦点を合わせて,電子材料,磁性材料,光学材料,センサ材料への応用例について述べている。

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