表面科学
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第一原理分子動力学法による不純物化学反応と拡散機構の予測
吉田 博織田 望佐々木 泰造
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1994 年 15 巻 4 号 p. 204-210

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抄録

半導体表面吸着原子系や不純物原子系における特異な電子状態として,多重荷電状態,負の電子相関,触媒効果をとりあげる。このような特異な電子状態が重要な働きをする例として,ワイドギャップ半導体であるZnSe中のアクセプターの新しい補償機構,負の電子相関と触媒効果による結晶シリコン中のシリコンの低温での高速拡散機構,そして水素化アモルファスシリコンにおける水素の役割と固有欠陥反応を選び,第一原理分子動力学法により,これらの系に特有な新奇な反応機構や拡散機構の予言と発見を試みる。また,いままで認識されてなかった電子励起原子移動による新しい物質科学の創成と発展の可能性についても言及する。

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© 社団法人 日本表面科学会
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