電子線照射によって誘起された基板表面原子と吸着分子との反応を利用した電子ビームデポジションによる3次元ナノ構造形成について述べる。まず, 電子ビームデポジションの基礎特性として, WF6ガスソースを用いたWのデポジションの基板温度依存性, オージェ分析および透過電子顕微鏡その場観察結果について述べる。これらの実験結果から, デポジション薄膜の基礎特性が明らかになった。また,集束電子線, STMを用いた3次元ナノ構造形成の実例を示す。さらに, これまで電子の粒子性を用いた3次元ナノ構造について研究を行ってきたが, 今後の展開として, 物質波の利用, つまり, 電子線描画技術によって作製されたComputer Generated Hologramを用いた電子・原子の物質波による3次元立体構造形成の可能性について言及する。