抄録
本研究はハイリスク家族に対する家族保全を視点においた学校ソーシャルワークを行った.その結果,子どもの学校生活における問題行動の減少や養育者の子どもに対する関わり方等に変化が確認できた.
特に専門的な知識や技術についての話し合いを,家族の実情に合った取り組み方や助言へと普遍的な知識や技術についての話し合いへと変換することが子ども家庭支援に求められる重要な視点と考える.その点でSSWerのコンサルテーション機能が今後もより重要なものになる.この取り組みから親の育ちを支えることが子どもの育ちに繋がるため,子どもが育つ生活環境には多面的な視点から支援の取り組みが必要であることが明らかになった.
したがって,学校ソーシャルワークにおける子ども家庭支援の取り組みは,家族の力を保全するとともに,生活課題を抱える家族を支える地域つくり,ひいては子どもにとっての居場所つくりに繋がるため有効な実践であると考える.