学校ソーシャルワーク研究
Online ISSN : 2758-5018
Print ISSN : 1881-9788
研究動向
ソーシャルワーク・スーパービジョン研究に関する近年の動向(その2)
実証的研究に着目して
大友 秀治
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2016 年 11 巻 p. 54-68

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抄録
本稿は,拙稿(大友2015) に続き,スクールソーシャルワーク(以下, SSW) を含む国内外のソーシャルワークのスーパービジョン(以下, SV) における近年の研究動向と課題を,実証的研究に着目して明確化することを目的とする.「国立国会図書館サーチ」と「CiNii」にて過去10年分の薯籍及び学術論文14本を,Academic Search Premierにて過去10年間の学術論文25本を研究対象として選定した.それらを,領域や目的,研究方法,主な結論などに分類,整理した.
その結果,量的・質的研究よるSVの手順と様式の検証・見直しなどの実証的研究が見られ,SVに活用できる実施マニュアルやツールの開発研究もなされていることが明らかとなった.特に,国外の研究では,各実践領域や文化に即し,マクロ領域を含むSVモデルの開発も進められていることが確認できた.しかし,拙稿も含めてSSW領域におけるSV研究は少なく,SSW領域におけるマクロなSV研究は確認できなかった.
今後は,これまでのレビュー研究の知見と課題に基づき,SSW領域においても,学校組織や地域社会に働きかけてシステム変革を促進するSV研究を実証的に進めていくことが必要であると考える.
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© 2016 日本学校ソーシャルワーク学会
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