抄録
本報告の目的は,スクールソーシャルワーカーが学校ソーシャルワーク・コンサルテーションを展開する場合に,ストレングスの視点を活用したケースコンサルテーションを行うことで,①校内協働を促進することに有効であること,そして,②校内協働が促進されたことにより,不登校傾向の児童が不登校となるのを予防することにつながることを明らかにしていくことである.
そのために,本報告では,Rappand Goscha (2012) のストレングスの視点を活用しケースコンサルテーションを展開した不登校傾向の児童への学校ソーシャルワーク実践事例を対象として,事例研究を行った.
その結果,教職員間で対象児童に関する情報が共有されるようになり,校内協働が促進されたまた,校内協働が促進されたことも影響し,対象児童が安定して登校するようになり,主体的な言動も見られるようになった.