抄録
東日本大震災以降,大規模自然災害時の特徴的なソーシャルワークの機能・役割を,「災害ソーシャルワーク」として理論化していこうとする動きが出てきたソーシャルワーカーによる災害支援活動の記述を分析したところ,これまでは機能していなかったとされる「災害直後」においても,ソーシャルワーカーはその専門性を生かした支援活動を行っていたことを垣間見ることができた.本論は,特に災害直後に焦点を当て,そこにおけるソーシャルワークを抽象化・一般化する試みについて述べたものである.
災害において,要配慮者および放置すれば要配慮者になりうる個人,あるいは機能不全をきたしているシステムにソーシャルワーカーが災害直後から介入し,支援のシステムが回復するまでの「時間稼ぎ」をすることは可能でありそのことが災害関連死を最小化する一助になるのではないだろうか.