抄録
本研究は,特別支援教育コーディネーターの設置に到る経緯と役割の変遷を明らかにした.研究の方法は,特別支援教育の成立に関わる文部科学省等のモデル事業の実施要項や報告,審議会の報告,通知等の文献の記述を比較した.特別支援教育コーディネーターの役割に関する記述は,次第に変遷をし,役割の内容は拡大をしてきていることが明らかになった.その背最には,特別支援教育の校内の体制作りのための推進役が必要とされていることを指摘した.また,盲・聾・養護学校(特別支援学校)のコーディネーターの役割についても,役割の拡大がみられたが,校外の関係機関との連携や小中学校等への支援という,対外的な役割が中心であった.特別支援教育コーディネーターの在り方については,引き続き検討され,役割や位置付けも変化していくことが予想されることを示唆した.