コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
対称λ計算の基礎理論
阪上 紗里浅井 健一
著者情報
ジャーナル フリー

26 巻 (2009) 2 号 p. 2_3-2_17

詳細
PDFをダウンロード (184K) 発行機関連絡先
抄録

「プログラムの残りの計算」を表す継続を扱う為の基礎言語体系として,対称λ計算(Symmetric λ-calculus, SLC)がFilinskiによって提案されている.SLCにおいては項と継続が完全に対称な形をしており,項を扱うのと同じように継続を扱うことができる.そのため,項と継続を統一的に議論するのに適していると思われるが,これまでSLCについての研究はほとんどなされていない.ここでは,まずSLCをsmall step semanticsで定式化し直し,型付き言語の基本的な性質であるProgressとPreservationを満たすことを証明する.次に,SLCが継続計算を議論・表現するのに適していることを示すため,(1) FelleisenのCオペレータを含むcall-by-value言語,ΛC計算,および(2) Parigotのcall-by-name λμ計算が,どちらも自然にSLCに変換できることを示す.近年call-by-valueとcall-by-nameの双対性が項と継続の対称性と絡めて注目されているが,ここでの結果はそれに対する洞察を与えるものと期待される.

著者関連情報
© 日本ソフトウェア科学会 2009
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top