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Print ISSN : 0289-6540
文字列に関する論理式の充足問題解決器の構成と実装
梅村 晃広
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2010 年 27 巻 1 号 p. 1_101-1_119

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抄録

本論文では,我々の開発した,文字列についての関数・述語を含む,限定子を持たない一階述語論理式の充足問題の解決器(ソルバ)の構成と実装について述べる.Makanin/Jaffarの語単一化(word unification)アルゴリズムを応用することで,文字列の結合,部分文字列の抽出,文字列の長さ,出現文字の制限についての議論を含む広い範囲の論理式の充足問題に対応するソルバを実装する.このため,語単一化ソルバの処理の途中で,QFPソルバを呼び出すフッキング計算法(HC法)を提案する.HC法の健全性は文字列とその属性の間の基本関係式によって保たれる.なお,もとのMakanin/Jaffarのアルゴリズムは理論的であり現実性がないと思われがちであるが,実行例によって,想定している応用であるソフトウェアの検証に必要となる比較的構成要素数の少ない論理式については,現実的な時間で結果が得られることを示す.

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© 日本ソフトウェア科学会 2010
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