日本作物学会中国支部研究集録
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弱光条件に対するダイズの生態生理学的反応 : 第 2 報 遮光条理が光合成速度に及ぼす影響についての重回帰分析
李 忠烈津野 幸人中野 淳一山口 武視
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1995 年 36 巻 p. 51-57

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抄録
第1報で, 光合成速度(Pn)に及ぼす遮光処理の影響が時期によって異なるという結果を得た.この原因を明らかにするために重回帰分析を行った.遮光処理と無処理の葉のPnを目的変数とし, 比葉面積(SLA), 葉身木部水ポテンシャル(Wp), 葉身N%を説明変数とすると, 開花盛期の遮光では, SLAが負の要因として最も大きく関与し, 次いで葉身N%が正に関与した.着莢盛期の遮光では, SLA, 葉身N%, Wpの3説明変数で高い重相関係数R=0.818^<**>を得た.Pnと単一要因との相関をみると, 葉身N%が全処理を通して高い正の相関を認めた.遮光葉のPnが対照区のそれよりも高まるのは葉身N%がより高くなったときであった.成熟始期では, ほとんどの葉の気孔伝導度(Sc)が0.5cm/sec以下となっていた.遮光により葉身N%が増加したとき, Scが大となるのでPnは高まった.
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© 1995 日本作物学会中国支部
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