コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
モジュールの独立性を考慮したRIA開発フレームワーク
福田 浩章山本 喜一
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2010 年 27 巻 4 号 p. 4_97-4_113

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抄録

近年,ネットワークの高速化,および接続環境の多様化に伴い,ウェブアプリケーションの利便性を保ちつつ,デスクトップアプリケーションの操作性や表現力を取り入れた,リッチインターネットアプリケーション(RIA)が普及しつつある.RIAは従来型ウェブアプリケーションと異なり,クライアントでの処理を主とし,必要に応じてサーバのサービスと連携する.すなわち,RIAでは従来サーバで行っていた画面遷移,入力データの取得や検証,ビジネスロジックの実行をクライアントで行う.
本論文では,RIAのクライアントで行う処理を機能ごとに分割し,個々の機能を実装する開発者がお互いに依存することなく1つのアプリケーションを実装できるフレームワークの提案と実装について述べる.本フレームワークでは,クライアントでの処理を,値の検証,画面に依存した処理,画面に非依存な処理に分割する,そして,それぞれのプロラグラムの依存を直接記述する代わりに,イベントモデルと命名規約を利用して,実行時に依存性を確立することによって,1つのアプリケーションとして動作させる.本フレームワークの導入により,複数人での開発が容易になるだけでなく,首尾一貫したRIA開発が可能になる.

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© 日本ソフトウェア科学会 2010
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