コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
インタビューによる要求抽出作業を誘導する方法の提案
山中 隆敏埜口 元谷藤 史門古宮 誠一
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2011 年 28 巻 1 号 p. 1_230-1_247

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抄録

ソフトウェア開発では要求仕様書を基にシステム開発を行う.もし,要求仕様書に漏れや誤りがあれば,その後の成果物にも漏れや誤りが生じてしまう.そのため,要求仕様書を作成するための要求抽出作業は非常に重要な工程である.しかし,ソフトウェア開発に求められる顧客の要求を漏れや誤りなく抽出する要求抽出作業は大変困難な作業でもある.その大きな理由は,顧客とソフトウェア技術者(SE)との間に両者に共通の知識が存在しないからである.そのため,お互いにコミュニケーションが上手くとれず,要求抽出作業にも漏れや誤りが発生してしまう.
そこで,本論文では,ソフトウェア要求抽出作業をインタビューの技法を用いて,SEが,顧客の要求を漏れや誤りなく抽出できるように,インタビューによる要求抽出作業を誘導する仕組みを提案している.そして,この仕組みを用いて要求抽出作業を行った場合と,この仕組みを利用しないで要求抽出作業を行った場合との比較実験を行っている.その結果,前者のほうが後者よりも顧客要求を漏れや誤りがなく抽出することができたので,この仕組みを利用し本論文で提案した仕組みが有効であることを検証できたとしている.

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© 日本ソフトウェア科学会 2011
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