インターネットにおける自律システム(AS: Autonomous System)間の接続関係は,相互接続における経済関係および経路交換ポリシーから大きくトランジットおよびピアリングの2つに分類される.本論文ではASの全域部分グラフ(一部のAS間リンクを含まない部分グラフ)からAS規模を定量化し,このAS規模に基づいたAS間接続関係の推定手法を提案する.本論文の貢献は次の2点である.1) 従来の推定手法と比較して,少数のトポロジー計測点でのAS間接続関係,特にピアリングの推定精度を向上した.2) 本手法ではASの全域部分グラフから定量化したAS規模を用いることで,従来の経路解析に基づく手法では推定できなかった推定に用いた経路情報に含まれないAS間リンクに対してもAS間接続関係を推定可能にした.