本報告では,自然言語による仕様からプログラムを自動合成するシステムについて述べる.本システムは,ゴール・プランの概念に基づいて,自然言語の仕様からゴールを推論し,ゴールからプランを,プランからよりプリミティブなプランを推論するといった段階的な詳細化を行いながらプログラムを合成するものである.このようなプログラムの合成過程を計算機上で実現するためには,常識的な知識,問題分野に依存した知識,目標言語のsyntaxやsemanticsに関する知識など非常に多くの知識が必要である.本システムは,以上のような知識を効率良く利用するために,知識工学的手法を用いて実現している.また本システムは,プログラム合成の各過程で必要な知識をグループ化し,グループ化された知識が互いに疎に結合して問題を解決する協調型プロダクションシステムの枠組みを基にして構成している.