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Print ISSN : 0289-6540
クラッシュレポートの送信頻度と不具合との関連付けに関する実証的評価
小須田 光亀井 靖高鵜林 尚靖
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2015 年 32 巻 4 号 p. 4_131-4_140

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抄録

本論文では,ユーザによるクラッシュレポートの送信を促すために,ユーザが送信したクラッシュレポートの開発者による利用に関する知見を示す.そうすることで,開発者にとっては不具合発生状況のより正確な把握,ユーザにとっては不利益を被っている不具合の優先的な修正といった恩恵をもたらすことが期待できる.本論文では,ユーザから送信されたクラッシュレポートに対して,クラッシュレポートの送信頻度と関連付けされる割合との関係や,関連付けられているクラッシュレポートが関連付けまでに要するクラッシュレポートの送信件数に関して調査を行った. Firefoxを対象に行ったケーススタディの結果,送信されたクラッシュレポートが関連付けられている割合は約63%であることや,不具合に関連付けられているクラッシュタイプの90%は,1,000件以内のレポートが送信される間に関連付けられていることがわかった.

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© 2015 日本ソフトウェア科学会
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