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Print ISSN : 0289-6540
AnnoTone:高周波音の映像収録時埋め込みによる編集支援
鈴木 良平坂本 大介五十嵐 健夫
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2016 年 33 巻 1 号 p. 1_103-1_110

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抄録

GPS座標値や演技の良し悪し,試合状況といった注釈情報をビデオ録画時に埋め込んでおくことによって,カット処理やタイミングに合わせたエフェクトの生成なとビデオ編集を支援する手法を提案する.我々が提案する手法では,注釈情報を表すデジタルデータを人間には聴き取りづらい高域の音声信号に変換し,その信号をビデオカメラの近くに置いたデバイススのスピーカから送出する.その音声信号を映像とともに記録しておき,編集時にその情報を抽出することで,編集を支援する.本手法で埋め込まれる音声信号は完全に不可聴ではないが,フィルタにより音質を大きく落とすことなく音声信号から取り除くことができる.また,注釈信号埋め込みの信頼性や音声データの変換に対する注釈信号の耐久性を,実際の利用場面を想定した実験により評価し,本手法が高い実用性を備えることを検証した.本論文では提案手法を使用した複数の映像編集アプリケーションを例示し,注釈情報を用いることで実現される様々な新しい映像制作技法の可能性を議論する.

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© 2016 日本ソフトウェア科学会
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