コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
自動計測データと機械学習に基づくソフトウェア開発の作業目的の推定
大橋 亮太上野 秀剛門田 暁人荒木 健史山田 欣吾松本 健一
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2016 年 33 巻 2 号 p. 2_139-2_150

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抄録

本稿はソフトウェア開発者の能力向上・プロセス改善手法であるPSPにおける作業履歴の記録と作業目的に基づいた履歴の分析を支援するために,作業者の作業履歴から作業目的を推定する手法を提案する.提案手法は推定対象となる作業(Task)の前後に行われた作業の特性から作業目的(Aim)を推定する.連続するTaskのうち,打鍵数やクリック数が多いTaskをそのAimにおける主要Taskとし,特性として使用する. RandomForestによる推定モデルを構築し実験した結果,提案手法は前後のTaskの情報を用いない場合に比べ,高い精度で作業を推定できた.特に,前後の作業を多く見るほど推定精度の向上が見られ,推定の正答率は97%となった.提案手法を用いることで,実装やテストといった開発目的にどの程度の時間が費やされたかを把握することが可能となり,プロセス改善の基礎データとして役立てることができると期待される.

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© 2016 日本ソフトウェア科学会
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