2019 年 36 巻 3 号 p. 3_47-3_53
本論文では,相関関数を扱うアソシエーションルールA ⇒ correl(X,Y)を提案する.ここで,Aは前提部であり,correl(X,Y)は変数XとYの相関関数を表す.この拡張により,与えられたデータセットの中から任意の2変数の相関が高く(または低く)なる条件を発見できる.さらに,統計的に有意な相関を区別するために,相関の有意性検定の結果を結論部に持つルールA ⇒ testcorrel(X,Y)を設ける.ここでtestcorrel(X,Y)はXとYの無相関検定の有意確率である.提案手法のフィージビリティを確認するために,ソフトウェア開発データを用いたケーススタディを行った.その結果,ソフトウェアの規模と開発工数の相関が有意に高くなる(または低くなる)プロジェクトの条件を抽出でき,規模に基づいて開発工数の予測を行うのに適したプロジェクトとそうでないプロジェクトを区別できることが分かった.