静電容量方式のタッチサーフェス上へ貼り付けるだけの簡単な作業で取り付けられるForce-to-Motion方式の薄型入力機器,Ohmic-Stickerを提案する.プリント基板上へ加圧により抵抗値が変化する感圧センサを設置し,タッチサーフェスの流出電流値を用いて抵抗値変化を計測することで,指先の微細運動による入力を実現する.本論文では,予備調査に基づくOhmic-Stickerの設計要件の検討と,実際に作成した0.5 DoFから6 DoF(以上)の入力を可能とする複数のOhmic-Sticker及びその応用例,性能調査の結果を報告する.
本論文では,スマートフォン及びスマートウォッチにおいて,通常のタッチ入力動作とは対称的な,“デバイス側を指に向けて移動させる動作”によりデバイス画面と指を接触させ,タッチ入力を拡張する手法“Copernican-Touch”を提案する.本手法はタッチ入力発生直前(500ms)までのデバイスの動きによる,加速度センサ及びジャイロセンサ等の値を用い,タッチした直後に待機時間なく対応するコマンドを実行可能とする.本論文では,提案手法実現のための初期的な調査を行い,機械学習によりスマートフォンにおいて87%・スマートウォッチにおいて88%の精度が得られることを示した.また,提案手法のタッチ入力により画面上の特定の位置を正確に指示することが困難であるなどのユーザフィードバックを参考に,実現可能なアプリケーションについて議論する.
国民年金法の述語論理による記述と定理自動証明システムZ3Pyによる検証に関するケーススタディついて述べた.法令の作成は伝統的に人手により行われて来たが,近年法令が大量に作られるようになり,その品質の維持には計算機科学,特にソフトウェア工学や人工知能で培われた技術を応用することが有効であると考えられる.本稿では,法令を意図した通りに正しく作る上で,法令の形式的記述と自動検証技術が有効であることを確認する目的で,国民年金法の基本的条文の述語論理による記述と,そのSMTソルバーZ3Pyによる検証を試行した結果を報告する.法令の文章上の複雑さは別にすると,その論理的深度は深くなく,このような方法が誤りの無い法令を作る上で有効な方法になり得ることが分かった.
本論文では,相関関数を扱うアソシエーションルールA ⇒ correl(X,Y)を提案する.ここで,Aは前提部であり,correl(X,Y)は変数XとYの相関関数を表す.この拡張により,与えられたデータセットの中から任意の2変数の相関が高く(または低く)なる条件を発見できる.さらに,統計的に有意な相関を区別するために,相関の有意性検定の結果を結論部に持つルールA ⇒ testcorrel(X,Y)を設ける.ここでtestcorrel(X,Y)はXとYの無相関検定の有意確率である.提案手法のフィージビリティを確認するために,ソフトウェア開発データを用いたケーススタディを行った.その結果,ソフトウェアの規模と開発工数の相関が有意に高くなる(または低くなる)プロジェクトの条件を抽出でき,規模に基づいて開発工数の予測を行うのに適したプロジェクトとそうでないプロジェクトを区別できることが分かった.
Application-level network traffic analysis and sophisticated analysis techniques, such as machine learningand stream data processing for network traffic, require considerable computationalresources.In addition, developing an application protocol analyzer is a tediousand time-consuming task.Therefore, we propose a scalable and flexible traffic analysis platform (SF-TAP) for the efficientand flexible application-level streamanalysis of high-bandwidth network traffic.By using our flexible modular platform, developers can easilyimplement multicore scalable application-level stream analyzers.Furthermore, as SF-TAP is horizontally scalable, it manageshigh-bandwidth network traffic.To achieve this scalability, we separate the network trafficbased on traffic flows, and forward the separated flows to multipleSF-TAP cells, each comprising a traffic capturer andapplication-level analyzers.This study discusses the design, implementation and detailed evaluation of SF-TAP.