2022 年 39 巻 1 号 p. 1_3-1_17
現在,IoTデバイスのデータ配信のためにパブリッシュ/サブスクライブメッセージングモデルを用いた様々なIoTデバイス向けのプラットフォームが開発されている.しかし,これらのプラットフォームではプッシュ型の通信によるメッセージ配信という特徴上,サブスクライバがデータの受信タイミングを制御できない.これによってデータの受信過多や,異なるリソースからのデータ受信の際に同期が取れないといった問題が生じる.そこで,本研究では既存のプラットフォームを拡張し,サブスクライバが時間によってデータ受信を制御できるサブスクライバドリブンなデータ配信システムSDSを開発した.実際に,送信頻度の異なる複数トピック間で同期的データ取得にかかる通信量を測定したところ,4つのトピックを同期的に取得するケースにおいて本システムを用いることで既存システムから通信量を70% 以上削減することができた.