2022 年 39 巻 3 号 p. 3_33-3_46
本論文では,メソッド呼び出しの連鎖の誤りを型検査器で検出可能にする Fluent API の実装方法について,その基礎から2019年の研究論文まで解説する. 具体的には,そのような実装方法が“型定義による構文解析器の表現”とみなせるという基礎的な考え方と,プッシュダウンオートマトンなどの抽象機械を型定義によって表現する手法を提案する研究論文の概要解説を行う. これらに加え,上述の Fluent APIの実装方法を実用するために開発された技術と今後開発が必要な技術についての解説も行う.