コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
RPAにおける不具合要因の分類と検出手法の検証
新田 壮史中川 博之土屋 達弘
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2023 年 40 巻 1 号 p. 1_11-1_23

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抄録

RPA(Robotic Process Automation)とは,主にデスクトップ作業の自動化を目的とした技術である.人間の動作を模倣するbotと呼ばれるプロセスを作成し,外部アプリケーションのUI を操作する.これにより,一定のルールに基づく繰り返しの業務を自動化することが可能となる.しかし,実際の運用では,botに様々な不具合が発生する場合が少なくない.その要因の1つは,開発環境で警告をされない不具合要因に起因する.このRPAで発生する不具合要因は,従来のプログラムとは異なる特性を持つと考えられる.そこで本研究では,RPAにより作成されたbotの不具合要因に関するコードレビューを分類する.その結果,分類されたレビューが最多であったカテゴリは,コマンドやbotパーツの置き換えに関する不具合要因が多くの割合を占めるカテゴリ「代替可能な処理」であった.これより,RPAツールにより提供されている既存のコマンドやbotパーツを,可能な限り利用することの重要性を確認した.さらに,コードレビューとコードの類似度を利用した不具合要因検出ツールの実装も行った.精度検証の結果,RPAで生成されるコードが規則的であることにより,高い精度を得られるとの考察を得た.

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© 2023, 日本ソフトウェア科学会
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