2025 年 42 巻 2 号 p. 2_17-2_29
受講生主体の実践的な教育方法としてPBL(課題解決型学習;Project- もしくはProblem-based learning)が実施されている.効果的なPBL実施の重要な要素の1つとして,受講生自身による適切なタスク管理が挙げられる.しかしながら,受講生による適切なタスク管理は容易ではない.その要因として,タスク管理には明確な正解や不正解がない点や,タスク管理には知識よりも経験を要する点が挙げられる.本研究ではPBLにおけるタスク管理スキルの自発的習得の促進を目的とし,PBLに特化したWBS(Work Breakdown Structure)の作成支援ツールを提案する.提案ツールの有効性を確認するため大阪大学で実施されているPBLへの提案ツール導入を行い,提案ツールの使用状況の確認と受講生へアンケートを実施した.その結果,提案ツールを使用した受講生は使用しなかった受講生と比べてよりタスク管理を意識して開発に取り組めたことが確認できた.