2025 年 42 巻 2 号 p. 2_3-2_16
効果的な学習形態の1つとして,ゲームなどの題材を用いた競争型PBL(Project-Based Learning)がある.競争型PBLの成功には,学生のモチベーション向上と教員による学生の開発進捗の把握が重要となる.本研究では,ソフトウェア開発プラクティスの1つであるCI(Continuous Integration:継続的統合)の考えに基づいた,PBL支援フレームワークCC(Continuous Competition:継続的競争)を提案する.CIでは,プログラムの変更を契機に,自動ビルドや自動テストにより開発の効率化を狙う.CCではそれに基づき,プログラムの変更を契機に,即座に対戦を実施しその結果を学生や教員へとフィードバックする.適用実験として,学部2年生を対象とした競争型PBL授業にこのフレームワークを導入し,受講生の開発に対するモチベーション向上,及び教員による進捗把握支援に対する一定の貢献を確認した.