コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
生存時間分析に基づくOSSの持続可能性の実証的評価
東本 知志蔵元 宏樹斎藤 忍飯村 結香子近藤 将成亀井 靖高鵜林 尚靖
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2025 年 42 巻 3 号 p. 3_71-3_83

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抄録

ソフトウェアの開発規模拡大に伴い,オープンソースソフトウェア(OSS)はますます普及し,様々なイノベーションを支えてきた.一方で,OSSは継続的な開発が保証されているわけではなく,その導入には,脆弱性やバグが放置されるリスクを負うことになる.したがって,OSSの開発がどの程度継続するかを推定することは非常に重要である.そこで本研究では,OSSの採用リスクを低減するために,OSSの開発が継続的に行われるかどうかを推定する上で有用な特徴量を明らかにする.調査の結果,ある瞬間に活動しているOSSの半数が活動を停止するまでにかかる時間は,およそ48ヶ月であることが分かった.また,OSSの開発が継続的に行われるかどうかを推定する上で,OSS開発者のタイムゾーンの数とプロジェクトのトップレベルディレクトリの数の大きさを見ることが有用であることが分かった.

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© 2025, 日本ソフトウェア科学会
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