主催: 日本ソフトウェア科学会
リモートコンポーネントを組み合わせて得られるコンポーネントベースシステムは、長期の運用を実現するために高い保守性を持つことが望ましい。保守性の判定法として、複雑度の測定がある。従来の測定法は、オブジェクト指向クラス集合、もしくは、一般的な抽象化によって得られる構造を測定対象とし、コンポーネントを単位とした保守作業の容易さを適切に反映しない。本稿では、リモートコンポーネントの特徴を考慮してコンポーネントベースシステムを段階的に抽象化し、得られる構造に対して要素間の関連に基づく複雑度を測定する手法を提案する。複数のEJBアプリケーションについて測定実験を行った結果、得られる複雑度が保守性を適切に反映することを確認した。