2004 年 34 巻 2 号 p. 9-16
本小論は、1958年3月15日の教育課程審議会答申で設置が表明された「技術科」の構想と同年10月1日に官報に告示された「中学校学習指導要領」における「技術・家庭科」との区別と関連を検討した。その結果、1958年版学習指導要領「技術・家庭科」は教科名を改めただけでなく、教科の目標規定から「産業」という面を後景に退け、「技術科」設置構想との断絶を基調としていたけれども、目標規定に「近代技術に関する理解」を挿入し重く位置づけ、「技術科」設置構想との連続面も認められた。