2012 年 42 巻 2 号 p. 9-16
本稿はイギリス労働党政権下の行政システムと財政支援戦略を分析し、スキルと学習に対する公共管理の課題を考察した。同政権は社会的困難層への支援を実現する過程で、需要に焦点を合わせて再配分を行う需要主導システムの構築を目指す。重点配分による支援の枠組みは学習供給主体と個人学習者のそれぞれにインパクトを与え、基礎スキル向上プログラムは一定の成果をもたらした。予算の増大がサービス供給の量的向上を実現させながらも、この再配分のシステムは集権化と枠組みの標準化を進展させたことを示した。