抄録
本小論は、韓国の中学校技術・家庭科の成立史研究の一環として、軍事的クーデターによる1980年の全斗煥政権 誕生以降の時期における、1981年の第4次教育課程により新設された男子必修の生活技術科の成立過程を分析した。 その結果、生活技術科は、生産技術教育を大きく後退させ、逆に、家庭生活における消費者的立場に焦点を当てた家庭 科的内容を新たに積極的に導入したものであったこと、そしてこのことは、直接的には、家庭科を教育課程上の中枢的 基盤とした、巨大な女子教育の勢力が強い影響を及ぼしたこと等を解明した。