社会福祉学
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障害者雇用政策の3類型 : 日本および欧米先進国の比較を通して
遠山 真世
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2001 年 42 巻 1 号 p. 77-86

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抄録
各国で障害者の雇用促進を目的とするさまざまな政策が展開されつつある。これまでの先行研究では,各国の障害者雇用政策に関する個別具体的な分析が行われてきたが,次なる課題は,全体的な観点からの比較によって各政策の特徴を明確化することであろう。そこで本稿では,より包括的で多面的な国際比較を行うため,一定の比較の枠組みを設定したうえで,障害者雇用政策の類型化および理論的整理を試みる。まず,先行研究から得られた情報をもとに,日本および欧米先進国において中心的役割を担う施策を軸とし,経験的に3つの類型を導き出す。次に,各タイプが想定している障害者雇用の理念的なあり方や,それぞれの根底にある基本的な原則を仮説的に抽出するとともに,各タイプの政策のもつ利点と問題点について理論的に検討する。こうした分析を踏まえ,最後に,障害者雇用政策の今後の展開の可能性や方向性について考察を行う。
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© 2001 一般社団法人 日本社会福祉学会
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