社会福祉学
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中途失聴者と難聴者に対する援助行動と関連する要因の研究
山口 利勝
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2007 年 48 巻 1 号 p. 55-67

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抄録

本研究では,中途失聴者と難聴者(以下,中途失聴・難聴者)に対する要約筆記者の援助行動と関連する要因について検討した.最初に,中途失聴・難聴者に対する認知と援助行動をとらえるための質問紙調査を要約筆記者に行い(対象60人),質問項目を選定した.次に,選定した質問項目を用いて質問紙調査を実施し(対象116人),要約筆記者の中途失聴・難聴者に対する認知と援助行動を把握するための尺度を作成した.因子分析の結果,中途失聴・難聴者に対する認知尺度は「中途失聴・難聴者の理解されにくさ認知」「中途失聴・難聴者のストレス認知」の2因子で構成され,援助行動尺度は「援助者としての自覚的行動」「親密性行動」「コミュニケーションの配慮行動」の3因子で構成されることが明らかになった.続いて,要約筆記者の中途失聴・難聴者に対する援助行動と認知ならびに共感などとの関連を検討した結果,密接な関連が見いたされた.

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© 2007 一般社団法人 日本社会福祉学会
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