社会福祉学
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知的障害者の脱施設化/地域移行政策の成果に関わる評価研究 : 海外と日本の論文を比較して
鈴木 良
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2013 年 53 巻 4 号 p. 137-149

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抄録
本研究は,海外および日本の知的障害者の脱施設化/地域移行政策の成果に関わる評価研究の動向を分析することを通して,これら評価研究がどのような視座によって遂行されてきたのかを検討した.その結果,第1に,海外および日本の研究は行動領域と生活環境への視座が共に重視されており,入所施設との比較においてある一定の適応行動や生活の質が向上する一方,行動領域には変化がみられない状況や悪化する場合もあることが示されている.この成果をめぐってはノーマライゼーションをどのように解釈するのかという価値判断が問われる.第2に,海外および日本の評価研究では知的障害者による主観的解釈が重視されてきた.この視座は適応主義的考え方に陥らないようにし,社会一般のノーマルの意味を問い直すうえで意義があるが,その主観的解釈の背景にあるさまざまな要因間の相互作用について相対化する社会構築主義の視座も必要である.
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© 2013 一般社団法人 日本社会福祉学会
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