本研究は知的障害者が雇用されている特例子会社の一般従業員の支援実態,およびその困難感の構造を明らかにすることを目的とした.首都圏にある特例子会社11社の一般従業員61人を対象に質問紙調査を実施し,質的データ分析法を用いて構造を分析した.その結果,一般従業員がさまざまな困難感を抱えつつ,チームを組んで職場内でのサポートをメインに試行錯誤しながら取り組んでいることが明らかになった.困難感については,(1)障害特性への対応の困難感,(2)生活問題への対応の困難感,(3)考えをそろえる困難感に分類され,さらに一般従業員の属性との関連を分析したことにより立場による困難感の違いや共通点を明らかにした.それを踏まえ困難感の軽減策として,(1)信頼関係および個別性の重視,(2)支援機関との協働,(3)資格の取得など教育の推進,(4)チームワークの強化,を提示した.