社会福祉学
Online ISSN : 2424-2608
Print ISSN : 0911-0232
社会福祉法人の合併相乗効果に関する研究
大川 新人
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2015 年 55 巻 4 号 p. 70-81

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抄録

社会福祉法人経営研究会は,2006年に,外部環境の変化に対応するために,社会福祉法人が1法人1施設の施設運営から1法人多施設の法人経営への移行を提案する報告書を発行した.続いて,同研究会は,2008年に,事業規模を拡大する一つの方法として,合併,事業譲渡,法人間連携の手引きを発表している.この二つの報告書が発表されてから,厚生労働省がデータを公表している社会福祉施設を経営する社会福祉法人の合併事例数が年数件から年10数件に増えたものの,その後は伸び悩んでいる.社会福祉法人の合併には,経営基盤を強化する効果があるのだろうか.本研究の第1の目的は,社会福祉法人の合併における相乗効果を理論的な枠組みを用いて,明確に整理することである.第2の研究目的は,企業M&Aの相乗効果の理論的な研究の枠組みを社会福祉法人の合併事例に適用して,企業と同種の相乗効果が生じているかどうか検討を行う.

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© 2015 一般社団法人 日本社会福祉学会
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