社会福祉学
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日本最初の盲人専用軽費老人ホーム「聖明園」の設立過程 : 創立者本間昭雄の視点から
小西 律子
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2015 年 56 巻 3 号 p. 14-28

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抄録

本間昭雄は,水戸藩の侍医も務めた高名な医者の家系に生まれたが,医療事故により両眼を失明してしまった.医者を諦め盲人福祉へと転身した本間は,聖ルカ失明者更生協会への協力と挫折という貴重な経験を経て,1955(昭和30)年,聖明福祉協会を設立した.最初に取り組んだホームティーチャー事業で家に隠され教育すら受けられない盲人,特に盲女子が多数いることに気づいた本間は,盲女子ホーム建設を目指し資金集めを始めた.1960(昭和35)年から翌年にかけて調布市に土地を得,資金の目途が立ち,施設建設に本腰を入れ始めたとき,盲老人ホームの建設が目標に加わった.その後厚生省の指導を得ながら青梅市に約千坪の土地を買収した.そして1964(昭和39)年,わが国最初の盲人専用軽費老人ホーム「聖明園」を開設した.

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© 2015 一般社団法人 日本社会福祉学会
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