社会福祉学
Online ISSN : 2424-2608
Print ISSN : 0911-0232
論文
子ども虐待に伴い不本意な一時保護を経験した保護者への「つなげる」支援のプロセスと構造――子ども虐待ソーシャルワークにおける「協働」関係の構築――
鈴木 浩之
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 58 巻 1 号 p. 112-127

詳細
抄録

本研究では,子ども虐待の危機介入において,不本意な一時保護をされた保護者と児童相談所の協働関係の構築についてのプロセスとその構造を検討することを目的とする.研究においては,児童相談所の支援者12人の研究協力者にインタビューを実施し,グレイザー派グラウンデッド・セオリーによりデータを分析した.その結果,32のコンセプトと14のカテゴリーが創出された.中核的なコンセプトは「つなげる」である.さらに,これらのカテゴリーは三つのステージに分類された.すなわち,「対話を創る」「つなげていく」「寄り添う」である.支援者はこれらの「つなげる支援」を通じて,保護者に働きかけることで協働関係を構築していくことがわかった.

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本社会福祉学会
前の記事 次の記事
feedback
Top