社会福祉学
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論文
スーパービジョンセッションにおいてスーパーバイザーが用いるスキル――ソーシャルワーカーによるスーパービジョンの質的調査――
神林 ミユキ
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2017 年 58 巻 1 号 p. 71-85

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抄録

スーパービジョンはソーシャルワーカーに身近になったが,スーパーバイザーからはスーパービジョンに対する不安の声が聞かれる.不安軽減のためには,具体的なスーパービジョンのイメージや,終了後の自己評価指標が有用だと考えた.そこで,1セッションごとの展開と,スーパービジョンで用いられるスキルを明確にすることを,研究目的とした.

実務経験10年以上のスーパーバイザーによる,12のスーパービジョンセッションを調査したところ,634のスキルが抽出された.それらは,提出事例を対象としたスキルとスーパーバイジーを対象としたスキル,スーパーバイジーの語りや内省を促すスキルに分類された.1セッションの展開は,開始段階からスーパーバイジー自身の成長課題への気づきを促すことを志向した介入が行われ,特に展開段階では成長課題に気づかないスーパーバイジーに対し,段階的にスキルが活用され,根気強く気づきを促していた.

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© 2017 一般社団法人 日本社会福祉学会
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