社会福祉学
Online ISSN : 2424-2608
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論文
子ども虐待ソーシャルワークにおける協働関係の構築――保護者の「折り合い」への「つなげる」支援の交互作用理論の可能性――
鈴木 浩之
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2018 年 59 巻 2 号 p. 1-14

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抄録

本研究では,子ども虐待の危機介入において,不本意な一時保護をされた保護者と児童相談所の協働関係の構築について,そのプロセスとその構造を検討することを目的とする.本論では,すでに行われた二つの研究,グレイザー派グラウンデッド・セオリーによって分析された保護者インタビューと,支援者インタビューの分析を統合することで協働関係の構築について論じた.保護者GTにおける中核的なコンセプトは「折り合い」であり,支援者GTでは「つなげる」であった.これらを比較し,保護者の「折り合い」を実現する6要件「見通し」「支えられる」「担当者との関係」「話し合いの場」「子どもへの思い」「期待」に対して,支援者が六つの「つなげる」支援により働きかけることで交互作用が生まれ,協働関係が構築されていくことが示唆された.そして,これをGTによる領域密着理論として「保護者の『折り合い』と支援者の『つなげる』支援の交互作用理論」とした.

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© 2018 一般社団法人 日本社会福祉学会
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