社会福祉学
Online ISSN : 2424-2608
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論文
保護観察官が犯罪者処遇ソーシャルワーク実践で直面する心理的ストレス――保護観察所の保護観察官へのインタビュー調査から――
中村 秀郷
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2018 年 59 巻 2 号 p. 52-65

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抄録

本研究の目的は,保護観察所の保護観察官が刑務所出所者等の社会内処遇で直面する困難性(心理的ストレス)の構造・展開を明らかにし,その実態を体系的に整理することである.また,本研究の分析結果と先行研究の比較から,保護観察所の保護観察官と更生保護施設職員が直面する困難性の共通点・相違点を明らかにすることである.保護観察官17名を対象として,個別インタビューによる半構造化面接を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて逐語データの分析を行った.分析結果から13個の困難性概念が成立し,概念間の関係性から,〈制度的・組織的限界へのストレス〉,〈対象者の言動へのストレス〉,〈生活環境への調整困難のストレス〉,〈支援の行き詰まりへのストレス〉の四つのカテゴリーに収斂された.本研究では,保護観察官が刑務所出所者等の社会内処遇の実践現場で直面すると考えられる困難性の予測に示唆を与えた.

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© 2018 一般社団法人 日本社会福祉学会
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