2018 年 59 巻 3 号 p. 69-82
認知症が疑われる高齢者の鑑別診断に向けた受診援助の実践を規定する要因を明らかにすることを目的とした.地域包括支援センターの職員を対象に,「認知症を疑われる本人を発見してから実際に認知症専門医へ受診するまでの過程」において,受診を規定していると考えられる促進要因と阻害要因に焦点をあててインタビュー調査を実施し,分析対象者とした7人の逐語録に対して質的分析を行った.分析の結果,カテゴリーは合計29カテゴリーが抽出され,コアカテゴリーのテーマに関して,促進要因は【職員】【地域】【他専門職】【行政】【医療機関】,阻害要因は【本人】【家族】【組織】【行政】【医療機関】となった.【行政】【医療機関】は両要因に共通するテーマとなったことから,行政や制度における柔軟な対応や医療機関からの協力が得られるとスムーズに受診援助が実践可能になるという点が確認された.