2018 年 59 巻 3 号 p. 83-94
24時間対応型生活援助員(LSA)の業務管理データベースの支援業務実績をもとに,年間を通した利用傾向および高頻度利用者や夜間・深夜帯利用者の特性を分析した.LSAが行う支援は,生活支援が最も多く,総業務件数の8割を占めていた.一方で,夜間・深夜帯(20時~翌朝7時台)にも「相談・傾聴」の業務が年間で419件(20.7%)行われていた.支援利用者のタイプ別にみると,「単発利用型」が6割を占め,「毎日利用型」は4%程度であった.性別・年齢・世帯所得による有意な影響は認められなかったが,独居である方(高頻度利用:OR=9.87,夜間利用:OR=2.87),要介護1以上の状態である方(高頻度利用:OR=4.31,夜間利用:OR=1.82)が,LSAによる支援の高頻度利用および夜間・深夜帯利用に至りやすいことが確認された.本事業は,介護保険や地域住民の「見守り」ではカバーしきれない生活支援を担っており,高齢者の地域生活の維持に寄与している可能性があることが示唆された.