社会福祉学
Online ISSN : 2424-2608
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論文
精神障害がある方の家族を対象とした心理教育プログラムのフォローアップモデルの形成――モデルの実施可能性とその関連要因――
仁科 雄介大島 巌贄川 信幸
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2020 年 61 巻 3 号 p. 55-71

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抄録

本研究は,精神障害がある方の家族への心理教育(家族心理教育)の終了後のフォローアップモデルの形成と実施可能性の検討を行うことを目的とした.まず,専門家,家族にワークショップ等を実施し暫定モデルを作成した.次に,家族心理教育のエキスパートを対象に暫定モデルの重要度,実施可能性を問う質問紙調査を実施し,モデルの妥当性および実施可能性,実施可能性に関連する要因を検討した.その結果,《関与・援助のプロセス》の16要素,《実施体制》の3要素,《実施上の理念》の3要素からなる暫定モデルが作成され,モデルの妥当性と実施可能性が確認された.一方で,セルフヘルプやネットワーク構築に関する要素の実施の困難さが示され,実施可能性を高めるためには家族心理教育において情報提供とグループワークを一体的に提供するモデルを実施,家族同士の繋がりを支える意識の共有,関係機関とのネットワーク形成が有効であると示唆された.

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© 2020 一般社団法人 日本社会福祉学会
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