本研究は,都市部の中高年独居者における類型化と類型別特徴の解明を目的とし,東京都A区において無作為抽出され,郵送調査に回答した50~70代の独居者1,524人を対象とした.心身の健康,経済状態,社会関係における問題保有に基づく潜在クラス分析の結果,全側面の問題がある「問題集積群」(5%),身体健康に問題はないが問題集積群に次いで社会関係が乏しい「問題中位群」(25%),「健康問題群」(19%),どの問題も少ない「問題最小群」(51%)の4類型を得た.問題最小群に比べて問題保有3群はいずれも男性が多く,援助要請における他者不信が強い,地域情報源が少ないといった特徴があり,この傾向は特に問題集積群で顕著だった.問題中位群には中年者(50~64歳),未婚,非正規雇用者なども所属しやすかった.問題集積群に対する専門職のアウトリーチや,問題中位群の特徴に合ったプログラム開発の必要性について論じた.