大阪府立高校および埼玉県立高校の生徒を対象とした質問紙調査の結果(大阪府:n =5,133,埼玉県:n =3,850)から,子どもがケアを担う背景,要因を検討した.大阪府では265名(5.2%),埼玉県では202名(5.2%)が,ヤングケアラーと判断された.全高校生を対象とした場合(分析1),ケアを要する家族がいる者のみを対象とした場合(分析2;大阪府:n =645,埼玉県:n =530)について,ヤングケアラーか否かを目的変数,各種要因を説明変数としたロジスティック回帰分析を行った.分析1では,祖父母と同居している場合,経済的に厳しい状況の場合に,ヤングケアラーが多いことが示唆された.分析2では,祖父母と同居している場合,経済的に厳しい状況の場合,母親がケアを要する場合に子どもがケアを担いやすいことが示された.ヤングケアラーの把握,支援を進める際には,これらの点に着目する必要がある.
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