創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
原著
重症四肢外傷に対する遊離皮弁移植前の人工真皮使用
黒川 正人佐藤 誠中山 真紀八杉 悠
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2010 年 1 巻 2 号 p. 81-87

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抄録
 重症四肢外傷の場合に,われわれは一時的に人工真皮貼付を行い,待機したのちに遊離皮弁移植を行うことがある。本法の利点は,生着の見きわめが困難な組織が温存でき,無理に皮膚に過度の緊張が加わる縫合を行う必要はないために,血行不良による壊死に陥ることも防げる。筋肉に過度の圧力が加わらないために,コンパートメント症候群の予防にも有効である。手指などでは人工真皮貼付中のリハビリテーションも可能である。人工真皮貼付期間中は再建方法を検討する時間が確保でき,インフォームド・コンセントを得るうえでも有利である。また,受傷時には遊離皮弁移植が必要と考えた症例でも,人工真皮貼付にて肉芽形成が促進され,遊離植皮で治療が完了したものもあった。人工真皮は感染に対して弱いために,外傷では全例でドレーン孔を開けているが,感染兆候が現れた場合には早期にシリコン膜を破り,十分に洗浄する。
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© 2010 一般社団法人 日本創傷外科学会
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